04−05−29  Amsterdamse bos へサイクリング
我が家から自転車で10分も行くと、
通称ボス公園( Amsterdamse bos アムステルダムの森)がある。

漕艇場、馬場、ホッケーコート、子供牧場、プール等の施設もあるが、
なんと言っても広大な広葉樹林と点在する広い芝生の原っぱ、そして運河と湖が魅力である。

朝の4時から夜10時過ぎまで太陽が顔を出し、
晴天の多い5月〜7月の週末は、半裸の老若男女が繰り出して日向ぼっこをする。

夫と私も愛車にまたがりサイクリングに出かけた。
と言っても純粋日本人のわれわれは日向ぼっこより森林浴が目的。
こんな運河のほとりに自転車専用道路があり、坂もなく、
と初老のサイクラーには大変ありがたい。
運河のほとりには葦が生え、柳が青々と茂っている。
左下方には黄色いアイリスと小型の睡蓮が見える。

写真には撮れなかったが、水の中には無数の小魚が泳ぎ、
まるで雨が降っているように、水面に水輪を作っていた。

水は枯葉などの堆積により、紅茶のような色をしているが、思ったほどは濁っていない。
とは言え、日本の川とは比ぶべくもないが

運河の周りに何の柵もないのがお分かりだろうか。
国中に張り巡らされた運河に柵を作り、保全し続けるなどという無駄なことはしない。

大人も子供も、安全確保は自己責任。
だから10歳くらいまでは子供だけで出かけることはできない。
水のあるところには必ず置いてあるこの鉤竿。

赤黒のだんだらに塗ってあるのは目立つため。
運河に落ちたらこれで引っ張り上げる。

鉤を首の後ろや脇の下にあてがえば、
失神している人でも引き寄せることができるすぐれもの。

オランダでは水泳教室でもこれが大活躍。
大方のプールは水球との共用なので、水深が2mくらいある。

膝くらいの浅いプールで訓練して、一応泳げるようなった子は、深いほうへ移り、
トレーナーはあまり水に入らずに、この鉤竿で子供を支えて練習させる。
深すぎて、水中に立って教えることができないから。
マーガレットの向こうに小さく見える橋を渡ると公園。
うっそうたる森が見える。

森の中のには車道、自転車道、乗馬道、歩道が縦横に走っていて、駐車場もたくさんある。

公園への入り口もアムステルダム側、アムステルフェーン側といくつもあるが、
標識がきちんとしているので迷うことはない。
「ちょっと あんた近づいて何してんの?」

「うちの子に悪さしたら、ただじゃおかないよ。」

原っぱにいた白鳥の親子
ずいぶん子沢山。10羽近くいた。

白鳥は結構気が荒い。
手前に葦の生えた溝があってこれ以上は近寄れないので、
可能な限り上に手を伸ばして撮った。

ズームを使ったり、ディスプレーを見ないで撮ったのは、手ぶれやはみ出しでボツ。
この種類はコブハクチョウで、日本で越冬するのとは別種。
「あ、写真?ならいいわ。撮って撮って。こっちからなんかどう?」

「可愛いでしょ。お昼寝中で顔が見せられないのが残念だわ。」

「もうおしまい?撮影料はないの?あらがっかり。」

結局白鳥は攻撃的どころか、エサを期待しているらしかった。

ごめん、今日はパンくずを持ってないの。
来週、お天気がよければまた来るからね。

なぜかこの両親は頭のてっぺんが薄茶色。
若いから?
「いやぁ 気持ち良うござんすな。」

「この季節、お散歩の後は水浴びががいちばんですわ。」

「うちら、暑いの苦手でっさかい、冷やっこい運河が何よりでんな。」

ここはワンコたちの水泳場。オランダのワンコは本当に泳ぐのが好き。
この季節になると、にずぶぬれになったお散歩帰りの子をよく見かける。

運河の底の泥は臭いので、後でシャンプーが必要だとか。

公園の中はほぼ全域引き綱なしで歩けるようになっているが、
ほとんどの子は躾が行き届いているので、吼えたり、けんかしたりはしない。

私は犬好きの猫好きだが、躾に自信がないからここではとても犬を飼えない。
ちなみに人が泳ぐ場所では犬は泳がせないルール。
「とうちゃん  早くその棒っ切れ放ってよ。」

「待て待て、そうあせるなってことよ。」

「早く早く、じらさないでよ。」

「いま放るから、ちゃんと見てろよ。
見物人もいることだしな、かっこよくダイビングするんだぞ。」
 
「ワーイ  棒っ切れが飛んでった!!それっ」

ジャッブーン

「ま、元気ね。あの子さっきからもう10回も飛び込んでるわ。
うちのシロちゃんも飛び込みたそうだけど、私もうくたびれちゃった。
一服したら帰ろうね。」

「おかあさーん。私もうちょっと泳ぎたいのよ。」

砂煙を立ててやってきた馬たち。
じつは右から左へ駆けてきたんだけど、何思いけん、しんがりの1頭。
群れをば離れて駆け去りぬ。

で、みんな止まって待ってるとこ。

「あの子 なにしてんのよ。」

「集団行動ができない子をグループに入れちゃ駄目って言ったのに。」

「まぁ まぁ 若い子のすることだから、大目に見てやんなさい。
お前さんだってあのくらいの時は、なかなかじゃじゃ馬だったじゃないか。え。」

「そりゃまぁ ええ・・・・。」

背景を見ると木々の大きさがお分かりだろう。
後ろは山ではなく、完全な平地だから、見えているのがそのまま木の高さだ。
水のみ場で水を飲んでるワンコ

「おーい ポチ、おとうさんはもう帰るよ。
さっさとついて来ないと置いてっちゃうぞ。」

「ちょ  ちょっと待ってよ  おとうさん。ペロペロ
これチョロチョロしか水が出ないんだもん。ペロペロ
僕、いっぱい歩いたから喉渇いてんの。ペロペロ
あ、もうじれったい!!もっと景気よく出ないの?ペロペロ」
ここはもう公園のはずれ。ここがしっかり凍ると天然スケートリンクになる。
近年暖冬が多くて、なかなか十分な厚さに凍らない。

向こうに見えるのは教会の塔。
つわものどもが夢の後
ここは4年くらい前までアムステルフェーン随一の和食レストランだった。
大きな窓からは湖が見渡せ、
ビジネスランチに、接待に、家庭サービスにと日夜にぎわっていた。

不審火が続き、建て替えが必要になったが、
公園脇の特別地域なので建築許可の更新ができず、
別の場所に移って営業を始めた。

しかしそこも、厳しくなった移民許可のために従業員の手当てがつかず、
僅か数ヶ月で閉鎖。
今は他のレストランになっている。

かつてこの町に住んでいた日本人には懐かしい場所だが、
こうやって見ると狭いのね。
営業中はずっと広かったような気がするんだけど。
キンポウゲの一種 boterbloem (バターの花)

英語だと buttercup  花径2cm

初夏の野原を埋めて咲く可愛い花だが毒草らしい。
キンポウゲの間に咲く薄紫の花。  花径4cm

名前が分からない。ゲンノショウコの近縁だとは思うのだけど。
野草図鑑にないところを見ると園芸種?

この色は日が翳った時や夕暮れに浮き上がって見えてとてもきれいだが、
写真では再現が難しい。
inserted by FC2 system